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ダイレクトPCTの検討

アプリビジネスを展開する企業にとって、海外市場は当然視野に入るのですが、出願は今後全件PCTにしたいと考えている人が増えてる気がします。

 

これまでの流れだと

日本出願 →PCT(JP指定なし)(1年以内)→外国移行(30月以内)

なんですが、ダイレクトPCTの場合だと、

PCT → 日本 及び 外国に移行(30月以内)

になります。そもそもフローがスッキリw

 

費用的なメリット

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産業財産権関係料金一覧 | 経済産業省 特許庁

 

JPOでISRが作られていると、5、6万ぐらい審査請求料が安いイメージですね。請求項あたりの単価も下がります。

ISRを作成したJPO審査官が基本的に国内の審査も担当するので、審査官の負担がかなり軽減されるからだと思います。JPO内では、審査官の審査経過(検索式など)が共有されてますから、担当審査官が異動で変わってしまったとしても、その分ラクですよね。

 

期限管理的な面もフローがシンプルな分、やりやすいのかなと思いますが、費用的な面がやっぱり大きいですね。年間10件出願だとしても、50から60万も節約できるし、これをもっと実質的な面の手当てに充当できれば、良さそう。

 

 最初からPCTを使うようにオススメしてもいいのかもしれないけど、そもそもPCTは最初のお金(国際出願手数料)が高いんですよねー。

 

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国際出願関係手数料表 | 経済産業省 特許庁

 

でも、もっと事務所の手数料を下げて、PCTを利用しやすいようにして、お客様の海外展開を後押ししてあげられるかも。なんか出来そうな気がしてきた!もとからPCTやりたい人は、結果的には安くなる事が分かってるわけだし、事務的なところでお金とってもしゃーないでしょ。その分、内容的な面で請求させていただくことになると思いますが、それは頑張ります。

  

J-PlatPatの審査官端末機能を用いた先行技術文献調査の研修の申し込み倍率が10倍以上に!

9月に弁理士会で行われる標記の研修、なんと申し込み倍率が10倍以上になっていました。

 

J-PlatPatとは、言わずもがな、特許調査に必須の無料のツールです。

 

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特許情報プラットフォーム講習会テキスト【特許・実用新案編】より

 

2018年3月に新機能がリリースされ、パワーアップしました。

周りの弁理士たちは、検索結果で表示される公報が変わったとか、なんだかんだと言って不評なのですが、

平成30年3月12日から、J-PlatPatのデータベースを大幅に充実させるとともに、検索機能を特許審査システムと共通化することで、J-PlatPatで新たな検索機能が利用可能になります。

主な追加・改善機能は以下の通りです。(詳細は別紙をご参照ください。)

<追加機能>
機能1.特許分類とキーワードを掛け合わせた検索
機能2.近傍検索
機能3.外国特許公報(米国・欧州・国際出願)の英文テキスト検索

<改善機能>
機能4.国内の公開特許公報等のテキスト検索が可能な期間の拡大
機能5.検索結果表示件数の上限拡大

特許審査官が用いる検索機能が利用可能になります~特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)の新機能について~(METI/経済産業省)

にもあるように、検索機能が審査で使われているシステムと共通化されたので、審査官と同じ検索機能が使えるようになったんです。はっきり言って、この追加機能、めちゃくちゃ便利です。これで検索式の保存機能とか、検索公報の自動DLとか出来たらいいのに。さらに言うと、検索結果の表示や、スクリーニング画面も審査官端末と同じものを提供してくれたらホントに言うことない。

 

J-PlatPatは無料だし、論理式入力モードもあって、ちょっと検索したい(がっつり検索したいときは、やっぱり商用データベースの方が便利機能が多いのでそっちを使わざるを得ない)ときに、かなり精度が高く検索できると思うのですが、この研修の倍率が10倍以上なのを見ると、使いこなしに苦労している弁理士が多いのかも。

 

調査は、弁理士として中々習得する機会がないのは確か。出願前調査しても、審査官からどんな文献出されるか分からないし、拒絶査定されたら、調査費用さえも請求するの躊躇しちゃいますよね。弁理士会がこういう研修するのはいいことですね。

 

INPITのテキストが結構いいこと書いてるから、詳しく見ていこうと思います。

 

 

 

 

 

 

意匠の保護期間、25年間になる?

意匠の保護期間を25年とする意匠法改正案が2019年の通常国会へ提出されるみたいです。へー。

 

www.nikkei.com


保護期間の他、保護対象や関連意匠の出願時期、一意匠一出願の原則も変わるみたい。特許庁の方でも意匠ってここ数年何かと動きが活発ですよね。

 

私のクライアントはIT企業ばかりなんですが、画面デザインを意匠で保護したいって人に未だにお目にかかったことがなく。保護期間が25年になると、ちょっとはクライアントたちの興味関心の対象になるかな。今までは話題にも登らなかったのが、少し話のネタになって、弁理士があんなこと言ってたなーと少しでも気にかけてもらえればいいな。

  

電話面接で応対記録をもらってますか?

最近の審査官は、最低1回は補正案を見てくれます。電話をすると結構優しい対応にホッとします。

 

これまでの経験から、審査官とスムーズにFAXでやり取り(電話面接)する際のポイントをシェアしたいと思います。

 

1.応答期限まで2週間以上あると安心。

最近は、国内出願も応答期限を気軽に延長できるようになったから、少し気がラクになりましたが、期限まで2週間ぐらいあったら、基本的に審査官は補正案にコメントするのを断れないはずです。

念のため、補正案を作る前に、審査官が見てくれるか電話するとなお良いと思います。審査官が海外出張などの場合もあり、そういう場合は補正案を作ったとしても見てもらえない可能性があります。

 

2.FAXする前に必ず電話すること。

審査官には秘書のような存在の事務員はいません。そして、FAXは審査官のいる場所から離れた所にあります。つまり、補正案を突然FAXしても、審査官がしばらく気がつかないことが多々あります。必ず、審査官に補正案を送ることを連絡しましょう。

 

3.電話の際は出願番号を。発送日よりは起案日の方が良い。

審査官に願番を伝えます。この際、大抵の審査官は、システムに願番を入力して現在のステータスや内容を確認します。ここで、発送日を伝えても審査官にはあまり意味はありません。審査官は発送日で案件を管理してないからです。むしろ、起案日で案件を管理している人の方が多いと思うので、拒絶理由通知に記載されている起案日を教えてあげると、審査官はピンとくるかもしれません。(発送日は応答期限を知らせるためにお伝えするのも重要なのですが)

 

願番を伝えて、審査官に突然具体的な内容を話し出す人がいるのですが、ここで具体的な内容を伝える意味はほぼゼロと思います。審査官は内容をちゃんと覚えてないからw 毎日似たような内容の案件を数件処理しているので、数週間経つと記憶はかなり薄れてますよね。(システムに提出した瞬間忘れるということもあったり。。。)

 

願番と補正案送ります、だけでいいと思います。

 

4.補正案はどんな体裁でもいい。 

補正案って、どんな体裁でもいいと思います。非公式な書類だから。補正書や意見書のフォーマットではなく、普通のwordのフォーマットで、クレーム案と意見の要点だけという人もいれば、正式な補正書、意見書のフォーマットで、内容も提出するときみたいにきちっと書いてある人もいます。ただ、最終的には応対記録として公開されてしまうので、代理人として恥ずかしい形式はやめた方がいいと思います。

 

5.応対記録は送ってもらえる。

審査官から補正案に対するコメントをいただいたら、応対記録を送ってほしいとお願いするとFAXしてもらえます。審査官は代理人等とのやり取りを記録に残さなければいけないので、応対記録という書類を必ず作っています。これはjplatpatでも確認することができるのですが、大抵の審査官はやり取り後、すぐに作成するはずなので、そこでFAXしてもらえます。応対記録があるとクライアントに報告する際もラクですよね。意外に応対記録が欲しいとお願いする代理人はいない印象です。

補正案に対して細かいやり取りがあった場合など、自分の理解と審査官の理解とで乖離がないか確認する意味でも、応対記録はもらっておいた方が絶対良いです。

 

以上、電話面接でのポイントでした。審査官とのやり取りなんて緊張するって人もいると思います。拒絶理由通知では冷たい印象でも、話して見ると、いい人が多いです。電話面接すると中間対応1回分得した気持ちになるし、オススメです。

 

 

 

AIに負けない云々の研修に行って思ったこと(みんな不安なんだねー)

最近、弁理士向けAIに負けない云々の研修に行ってきました。出席者は数百人ぐらいいたのでは、満員御礼な感じ。

 

弁理士はAIに仕事を取られる職業として挙げられてるし、みんな不安に思ってるんだなぁと思った。(そういう研修に行ってる私も同じ穴のムジナなんですが)

 

研修はたっぷり2時間。講師の先生の経歴とか真面目にチェックしてなくて、見た目ご高齢な先生が現れてちょっと驚く。最後まで話は聞いたけど、本だったら読まないなと思った。単位取れたからいいけど。

 

私はAIにできる仕事はどんどんAIがやればいいじゃんというスタンス。現時点でも、出来そうなのは思い当たるし、変わってほしい。

調査はAIが得意そう。荒く調査して文献をピックアップし、精査を人がやるってのは今もすぐ出来そうだし、事務仕事もAIの方が間違いがなさそう。早くAIがやってくれないかなー。

あとクレームは人間が作って、クレームに基づいて実施例はAIが書くとかもいいなぁ。全く新しい技術ってそうそう無いし、大体の発明は先行技術あるもんね。それいくつかに基づいて、クレームに合うようにして実施例書けちゃうんじゃないかなと思う。

 

AIに仕事が持っていかれるかどうかってどっちかって言うと、その業界が政治力あるかどうかじゃないですか?医者のやってる診断自体は、過去の膨大な症例をみることが出来るAIの方が得意そうだけど、いろんな理由をつけて医者は絶対AIに取って代わられないようにすると思う。

 

弁理士も政治的にもっと声をあげたらいいのに。商標は「高度に専門的」だから本人出願ではなく絶対弁理士を通さないとダメとかw 何とでも理由は作れそう。

弁理士は純粋で真面目なんだよね、基本的に。だから、商標が「高度に専門的」なんて言えない・・・。

 

AIに仕事を取られないようにするためには、あの弁理士さんに是非に!と言うお客さまからの信頼しかないですね。

 

非特許文献が読みにくい件について

拒絶理由で引用される文献が非特許文献の場合、特許庁から送付されてくるデータがものすごく解像度が粗くて読みにくいと感じています。

 

審査官が非特許文献をサーチする場合、JDream3などインターネット経由で論文を検索したり、審査官端末で非特許文献データベース使って検索したりなどするのですが、非特許文献データベースで非特許文献を見る場合、基本的に、紙データがスキャンされたものを見ているので、審査官がサーチしている段階ですでに解像度が低い。紙をスキャンしたやつをOCRにかけたテキストデータをサーチするので精度もちょっと悪い。

 

さらに、審査官は非特許文献を引用文献とする場合、その解像度の低い文献をプリントアウトして、それを非特許文献登録してもらうために、担当部署に紙で提出して、さらにそれをスキャンするということをしているんですよね。多分、その二重にスキャンされたものが代理人のところに送付されていると思うから、さらに解像度が低いということに・・・。

 

きちんとPDFデータがあるものに関しては、それを送付したらいいのに、著作権の関係とやらでできないのでしょうか。紙論文をスキャンした画像データなので、読みにくい上に、意見書等で引用するのもちょっとやりにくい。

 

審査官からすると、どういうデータが出願人に送られているか全然知らないから、非特許を引用しようが、なんとも思わないのですが、出願人側からすると、できるだけキレイな画像で送ってくれ〜って感じです。

 

 

非特許文献は電子データがあるものは電子データで欲しいです!

 

って特許庁に要望出したい。

AI/IoT特許の書き方 オススメ本

先月出たこの本、一気に読み終えました。

 

 

すごく勉強になりました!

AI技術の基礎知識とか色々紹介されているんだけど、それはやはりページの関係で説明が省略気味で、詳しくは理解できなかったです。その辺は他の本で勉強します。

 

でも、今までの特許の書き方では通用しないAI特許の事例や、競合他社に効くAI/IoT特許請求項の書き方というところは、大変興味深く、これからクレーム作るときに、ぜひチャレンジしてみたいなと思うところがたくさんありました。

 

AI技術はこれからIT系に限らず、いろんな技術分野で利用されていくと思うので、どの技術分野が専門の弁理士さんにも読んでもらいたいです。