知財のレシピ

弁理士業務に関わるハック、トピックスなど。調査等のご相談、お請けします。

J-PlatPat講習会のテキスト(特実)を読む 「権利調査」の深掘り

実際に調査した「権利調査」について、事例紹介(3パターン)します。

 

1.海外のクライアントが、権利行使前に、特許の有効性を確認したいと依頼してきた事例

 

 侵害訴訟等が活発なUSでは、よくあるパターンなのかなと思いますが、特許権侵害してるぞ!と訴えても、相手方からそもそもあなたの特許は無効でしょ、と反撃されてしまうのに備え、無効資料がないかを調査して下さい、という依頼。相手方を無効にしたいのではなく、自分の特許が無効じゃないか万全を期すものです。USは訴訟額も半端無いから準備にも相当お金かけるんですよね。ある意味「無効調査」ではあります。

 ちなみに、日本の特許文献(電気・情報系の話、他分野の事情はよく知らない。)は、2000年代ぐらいまでは積極的に出願され、技術レベル、内容も良いので、英語圏の特許の無効資料になり得る可能性が高いようです。2000年代だと、まだ機械翻訳の精度も全然よく無いし、審査において、世界公知を建前にしてても、やっぱり全世界の文献はそんなに調査できなかったでしょうね。USやEPの審査官にとっては、日本語文献の調査はハードル高かったと思います。なので、結構日本語文献の調査のニーズがあったりします。

 

2.自社サービスの開発の方向性を見定めたいと依頼してきた事例

 あるアプリサービスについてリリースしているが、他者の特許権を踏まないように、次なるサービスを考えたいんだけど、どんなのが特許になっているか調査してほしいという依頼。調査した結果、そのサービスに関連したいろんな特許が発見され、開発の方向性についてヒントになったようでお客様に喜ばれました。実際、他者が取得している、サービスとして提供されていない特許について(実施してなくても特許は取れるので。)、調査をせずに開発・実施してしまい、後で権利侵害してたことが分かって青ざめるってことは、十分あり得るんだな、と実感した事例でした。これはどちらかというと「技術動向調査」に近いとこもありますね。

 

3.開発しようとしている技術について実施できるか確認したいと依頼してきた事例

  企画段階の発明について、実施できそうか調査してほしいという依頼でした。特許されてなくて、新規性もありそうって話なら出願しましょうという話だったのですが、調査の結果、特許が発見されてしまい、その企画は違う方向へ変更せざるを得なくなってしまいました。調査して特許が発見されたから良かったですが、これも調査せずに開発に着手してたら、、、とゾッとする事例でした。こうやって調査して特許が見つかっても、開発スケジュールにそんなに影響を与えることなく設計変更できたり、そもそもその仕様は実施しなくてもOKとかいうこともあったり、なので、ちゃんと判断できる人に調査してもらうのが手っ取り早いと思います。

 ゲームアプリの会社は、ガチャ関係の特許には特に敏感なのではないでしょうか。もう、ゲーム関係の特許はなんだかすごい事になってて、ゲームって究極的には単なる人為的な取り決めじゃないのか、と思うのですが、普通に特許になってますよね、大量に。ゲーム関係は、最近は訴訟も結構あるので、特許調査を甘く見てると大変な事になりそうです。